大地の恵みを受け、酒造りの豊かな伝統を継承し革新を続ける。日本を代表する灘五郷の酒蔵「神戸酒心館」

食と農業を日本酒という名の伝統で繋ぐ神戸酒心館。
宝暦元年(1751年)に創業し、手造りにこだわる酒蔵として地元・神戸で愛され、ノーベル賞公式行事で幾度も振る舞われた日本酒「福寿」の蔵元です。
「ふるさと神戸の美しい自然を守りたい」そんな想いと共に、未来に貢献する株式会社 神戸酒心館 代表取締役の安福さんにお話しをお伺いしました。

◆日本酒造りの生命線
六甲の自然の恵みを受けて、神戸酒心館は酒造りを続けてきました。
六甲山の南側には宮水が湧き出ており、六甲山の北側にある神戸市北区の大沢(おおぞう)という地域で山田錦が生産されています。私たち神戸酒心館は、この宮水と山田錦を用いて日本酒醸造を行なっており、六甲山がもたらす”六甲おろし”の寒風を昔から酒造りに利用しています。

六甲山の山頂は雨量が多く、北側の土壌は粘土質の割合が非常に高い事が特徴なのですが、この粘土質の土壌が農作物にとても良い影響を与えていて、良いお米作りと良いお酒造りに繋がります。粘土質の含有率が高いこの特徴的な土壌を含め、私たちは六甲山がもたらす自然の恩恵を「六甲テロワール」と呼んでおり、生命線である土壌を守るために、日本酒の売り上げの一部を六甲山の環境保全活動に寄付をしています。この活動を続ける事で、これからも良いお水、良いお米が収穫できるように願っています。
◆宮水というアイデンティティ
私たちが日本酒造りに用いる宮水は、西宮神社南側の一部の地帯にしか湧き出てこない貴重な伏流水です。硬度が高く、リンの含有量が多く、鉄分をほとんど含まない水なんですよ。鉄分は日本酒造りに不向きなので、酒造りにとって最高の水と言われているのがこの宮水です。ミネラル分を多く含むので、お酒の発酵にも良い作用を与えるんですよ。宮水は、江戸時代に発見された歴史あるお水なのですが、この宮水を私たちはアイデンティティーとして、私たちが使用するピュアウォータとブレンドしながら、自分たちの求める酒造りを行なっています。

私たちの目指す酒造りにはテーマがあり、「芳醇な味わい」そして、「エレガントさ」、「バランスの良さ」というテーマがあります。日本酒には、大吟醸や純米吟醸、純米酒など色々なタイプがありますが、この3つのテーマを実現するためには、水がとても重要な要素になります。
絶妙なバランスで宮水とピュアウォーターをブレンドする事で「凛とした骨格」を表現する。そして、まろやかで優しい口当たりを有する「唯一無二の味わい」を実現する。それが私たちのこだわりですね。◆酒蔵として考える神戸の食″
「神戸の食の未来を考える会」というプロジェクトがあり、多くの飲食業の方や生産者の方が参加されています。その中で、弓削牧場さんとの出会いがあり、ミニバイオガスプラントの副産物である有機消化液を使用した山田錦の栽培を始めました。初めて使う肥料をいきなり田んぼに入れるのはリスクがあるので、まず、神戸酒心館の敷地内にあるミニ田んぼに、有機消化液を使用して、神戸大学の先生方と2年間試験的に山田錦の育成に関するデータを収集しました。すると、肥料としての役割を充分に果たすことが確認出来たんですよ。
更に、弓削牧場の消化液を肥料として使うと通常の肥料よりも稲が大きく成長する事が分かり、契約農家での使用も開始しました。
食のトレンドとして、オーガニックは今後大きな需要になってくるでしょうし、環境に優しいという意識が一般的に根付いてきているので、今後さらに大きく展開できればと考えています。
◆日本酒の役割
日本酒の消費量と生産量は私が生まれた昭和48年頃がピークで、現在では3分の1以下に減少しています。高度成長期の後半時代は、日本酒やお酒は酔えれば良いという嗜好品だと思われがちでしたが、現在は味わいを楽しむ酒として量から質へ価値観が転換しています。日本酒は、多くの可能性とそれに匹敵するポテンシャルを持ち合わせているので、この豊かな時代においては、日本酒と食事をゆっくりと楽しめる提案をしていかなくてはいけないと考えています。
近年、海外において日本酒がとても注目されており、輸出量も年々増加傾向にあるので、需要の高さを感じます。日本酒はワインに比べて酸度が非常に低く、アミノ酸を多く含んでいることが特長です。これは、結果としてお料理との相性の良さに繋がります。日本酒には多様性があり、色々な食事と合わせることが出来るので、世界のお料理と楽しんで頂けるチャンスに高い可能性を感じますね。食事の味を高めるのがお酒ですから、日本酒は主役ではなく食事をサポートする事が重要で、食事の味わいをより引き立たせる事が日本酒の役割だと考えます。
◆酒心館の日本酒
環境配慮型の日本酒は非常に少ないのが現状です。飛行機で海外に運ばれて海外での日本酒需要が増える事は商業的にみると喜ばしい事ではありますが、先ずは地元で愛され消費される事が環境に優しく、望ましい事だと考えます。
この様な事から、神戸酒心館ではSDGsへの取り組みを通じて、環境への配慮を取り入れる事が重要だと考えます。「フードマイレージ」という運動があるように、地元で消費されれば環境負荷は少なく、地球にも優しいと考えられます。今はインターネットで注文すれば何でも自宅に届く便利な時代です。その一方で環境負荷削減やエシカル消費をコンセプトとした、思いやりある消費と酒造りとのバランスが今後の課題だと思っています。

「エシカルな日本酒」という観念は、まだまだ認知されていませんが現代の若年層にはエシカル消費への関心の高さを感じます。私たちは、「環境・地域・人」に配慮したエシカルな日本酒を目指しているので、共感してもらえる地元の人たちと一緒に取り組めることが理想ですね。
「グリーンアワード」というアルコール飲料業界における世界最大のプログラムがロンドンで開催されています。神戸酒心館のサステナブルな酒造りとSDGsへの様々な取組みが認められ、昨年末、日本の酒蔵として初めて世界のトップ3に入るエシカルカンパニーに選ばれました。環境に配慮した酒造りや再生林などの取り組みが評価された事をとても喜ばしく思います。
私たちはこれからも、伝統と革新がもたらす取り組みで、地元に愛される酒造りを続けていきます。

☐ 神戸酒心館 ☐
変わらない心で日本酒の世界を継承し、十三代にわたり「福寿」の名を守り続けています。丁寧に造られた日本酒は神戸を中心に、世界でも愛されてきました。また、酒造業以外にも多様なサステナビリティ事業に取り組み、食文化や地域への貢献にも注力しています。

株式会社神戸酒心館
神戸市東灘区御影塚町1-8-17
078-841-1121

神戸酒心館 公式ホームページ

神戸酒心館 インスタグラム

神戸酒心館 公式YouTube

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(トゥース トゥース マート フードホール&ナイトフェス)
〒650-0041
兵庫県神戸市中央区新港町7-2 神戸ポートミュージアム1F
営業時間 11:00~23:30〔L.O/ FOOD 22:30 / DRINK 23:00〕
定休日:不定休

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